訪問ありがとうございます。どうぞごゆっくり~
5月の読んだ
2011年05月18日 (水) | 編集 |
村上春樹と梨木香歩は、英語に堪能だから所々に英語っぽい表現があって
個人的にはそれも好きなんだけど、梨木さんの場合はさらに日本語力が高くて
読後、なんだか上質のいいものを食べたときみたいな気持ちになります。
さて、久しぶりの梨木さんです。
「f植物園の穴」
これは「裏庭」~「家守綺譚」そして「沼地のある森を抜けて」に繋がるような
不思議でちょっと怖いお話。表現もかなりクラシックで
現国の教科書に載ってそうな、漱石の「夢十夜」みたいな感じ。
夢なのか現実なのか分からないストーリーが続き、時々私も
睡魔に襲われてしまいました(^^ゞ
「不思議な羅針盤」
こちらは雑誌「ミセス」に連載されたものをまとめたエッセイ。
本人もミセス読者も年齢が私と近いので、読みやすかったです。
でもそこは梨木さん。単なる主婦話には全然なりません。
多くはガーデニングのこと、そこから人付き合いや生き方や
鳥の話(鳥についても造詣が深く、次にその話を読みたいと
思ってます)など。
スケールを小さくシンプルに、そして丁寧に生きることの大切さにも
気付かされます。「西魔女」や「からくり」にも出てきた、効率のみを
考えて忙しく生きている母親像は、時々、私の中で思い出されては
自戒し自省するものであります。
また、こんな一節があります。

人もまた、群れの中で生きる動物なのだから、ある程度の倫理や道徳は
必要だが、それは同時にその人自身の魂を生かすものであって欲しいと
思う。(中略)個性的であることを、柔らかく受け容れられるゆるやかな
絆で結ばれた群れを(つくるための努力をしたい)。
  「不思議な羅針盤 P34」

異端であるものを排斥しないような群れを、とも続くのですが、
この考えは非常に私のものと重なり、共感します。
私が、勉強は大好きだけど先生になろうとは全く思わなかったのは
「ひとつの正しさ」に集団が向かうことに馴染めないから。
マイノリティ(少数派)やディスアビリティ(障碍)を持つ人も
おおらかに認められる群れをつくる為に、私も努力したいです。

P211~にも理解できないものを徹底的に排除する村社会の話が
ありますが、心の暗闇から社会の暗闇について繋げていくのは上手いですね。
ここの自閉症の人の考えについても納得出来ます。
また、日常の忙しい生活の中で、ふと見知らぬ者同士の心が触れ合った
エピソードとか、自分の車のナビを擬人的に紹介する話はとても面白かった。
ホントに読後感が、美味しいものを食べた後の感じに似てるんですよね。

ちなみに梨木さんは「西の魔女が死んだ」が映画化された女性作家で
同志社大卒業です。イギリス留学中のエッセーも興味深いけど
オススメは「西魔女」「家守綺譚」あたり、未読なら是非。
(ん~なんか久しぶりに感想文を書いた気分(^^ゞ
 ついでに久しぶりに 商品リンクも貼ってみよう~)
 

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック