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鹿の王
2019年07月30日 (火) | 編集 |
「鹿の王 水底の橋」 上橋菜穂子
2012年本屋大賞を獲った「鹿の王」の続編が出ました。
上橋さんの小説は全部読んでいて、その聡明さに感服していますが
今回も医療の発達と普及についての素晴らしい考察に唸りました。
ファンタジーって「嘘」だから何でも簡単に作れる・・・とノンフィクション派は言うかもしれませんが
ファンタジーの方が難しいんですよ。何も頼れるものがなく、でも矛盾が出ないように
社会・文化・言語を構築していかないといけないので。
上橋さんの「精霊の守り人」シリーズでも「獣の奏者」でも
登場人物の名前や地名を覚えるのに一苦労し
その国の歴史や文化に慣れるのに少し時間がかかりますが
いったんその世界に入ったら、シリーズでボリュームがある作品なので
ゆっくりと全く新しいその世界を第三者の目で俯瞰するのが楽しいです。

今回の「水底の橋」は前作のヒーロー、ヴァンでなく医師ホッサルの方が主人公。
帝国の政治的争いと、医学の流派による確執が描かれます。
例えば日本でも西洋医学と東洋医学、漢方、民間療法があるように
ホッサルたちの新しい医療と王室の医療、さらにその元となった医療の謎や
王室主流派を巡っての陰謀が繰り広げられます。
後半の全体像が見えてくるところは息も付けぬ面白さです。
さりげなく語られるこの題名の深さにも唸ります。

前作を書かれてから介護生活にお忙しかったようで5年ぶりとなりましたが
鹿の王のアニメ化もあるらしいので
この世界がさらに広く広がるといいですね。
そしてヴァンとユナの続編も期待します!
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